キレない25歳の独白

 自分の中に毒を持て。人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何もできなくなってしまう。計算づくでない人生を体験することだ。ぼくは、ほんとうに自分を貫くために、人に好かれない絵を描き、発言し続けてきた。ー岡本太郎

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 己の弱さに何度も打ちひしがれながら、それでも弱さをかばい続けてきた僕にとって、自己分析ほど辛いものはない。自分を見れば見るほど理想像とかけ離れていき、気づかないうちに、今まで見て見ぬ振りをしていた弱さは層を作り、やがて硬くて壊れにくい壁に出来上がっているのだ。この弱さの壁を破ろうとすると動揺する。僕にとっての自己分析とは、そういうものだった。壁の手前には大切にしているツルツルの自分がいる。外は危ないからといって、25年かけて壁を作ってきた。

 いま最も思考が自由になれる身分にある。これに交わって、最も自分に向き合わなければいけない身分でもある。道を大きく歩み出す機会にある。しかし、自分が作った壁を壊さないと踏み出せない。この時期、周りで起こるありとあらゆる体験がそれを警告している。

 僕が憧れていたのはいつも、ハードボイルド小説に出てくるような、毒があり、キレる存在で、危なっかしく、しかし強く優しい人間だった。人の後ろに回る人間のままでは、いつか関係のない人を殺すことになる。戦争を起こす。そうじゃない。僕は、文字に残さないと壁に押し返される性格があるらしい。この文章は自分自身に出す最終警告だ。この際、誰の言葉を借りてでもいい。自分の壁を破る武器を、言葉を持つと決意しなければならない。

 ぎょうらしい告白。こんなコトと笑う人は沢山いるだろう。いつか君が倒れた時は、僕が担いで救急へ連れていくから。