2025年 春 夏 秋 冬
2024年
2023年
2022年
2026年9月17日
株式会社ユニオンによる、再生アルミニウムを主材とした建築用金物《UNIAL》のパンフレット撮影を担当しました。ご一緒したのは、堺市のブランディングデザイン会社《MERRYBEETLE》の皆さん。ライトグリーンと青をコンセプトカラーに据えたデザインに寄り添い、明るく軽やかな印象の写真を目指しました。メインは製品ラインナップがパシッと並ぶ俯瞰写真です。第一の壁は、さまざまなサイズやカタチのプロダクトを一覧として明快に見せること。その上で写真としてどこまで気持ちよく整えられるかを考えました。当日に一発撮りできるほど簡単なことではありません。別日にテスト撮影の機会をいただき、イメージを固めていきました。細かな位置調整もなかなか大変でした。明るい写真も、影があってこその印象です。とはいえ目にチラつくほどのシャドウはやかましい。アルミニウムの細かな質感や、ゆるやかな曲面がわかる程度の影をつくるべく、大きな光源を組みました。プロダクトそのものの形状が美しいので、写真というよりグラフィックデザインのような画面に近づけたいと思いました。背景の光量ムラを極力なくすため、広いスタジオを使って光を回しています。それでも形状によっては思ってもみない光り方をするプロダクトもあります。そういうものは別途撮り分けを行い編集で合成しています。プロダクト撮影を担当する機会はあまり多くないので、頭をたくさん使いました。モデリングランプだけの暗いスタジオの中で、黙々と正解を見つけていく作業は、実に静かです。普段、「川嶋くんの撮るポートレートがいいよね」と言っていただくことが多く、それはとても嬉しい言葉です。ただ、静物に向き合う時間にも、気負いなく、少し違った集中の楽しみがあります。後日、アルミニウムのアルマイト処理の工程を撮影しに工場へ行きました。ベストと判断したシュートスポットは、硫酸の槽のすぐそば。安全に配慮しながらとはいえ、決死の撮影だったのを覚えています。いい写真は撮れましたが、ズボンのお尻が硫酸で溶けてしまいました。とてもお気に入りのズボンだっただけに、心残りです。帰宅後、アートディレクターの志波さんからのメール。「あの後めっちゃ頭痛くて大変だったんですが、体調大丈夫でしたか?」クリエイティブは命懸けですね!
Client_株式会社ユニオン
Art Direction・Graphic Design_株式会社 MERRY BEETLE
Photography_川嶋克
2026年9月5日
奈良市の春日よつば保育園のWebサイトの写真を撮影させていただきました。『抽象的なサイトにしたいんです』合同会社シェアローカルの代表すみさんからの最初の言葉は印象に残るものでした。園の魅力を説明する写真というよりも、子どもが日々のなかでどんな景色を見ているのか。どのようなものに目を留め、何に興味を抱き、どんなふうに世界に触れ、発見しているのか。その《子ども心》に、写真の断片や余白を通して、どう伝えられるのかが勘所です。写真に説明が入ってはダメ。ボケ味に頼ってテーマを絞ってもつまらない。分かりにくいけど、なんか格好良さげな雰囲気写真に逃げてもいけません。要は難しいのです。そんな中とどめを刺すように、子どもたちの動きは、完全に予測不可能です。ふだん何気なくルーティンとなっていた僕のお仕事での撮影の間やリズムが、さらさらと音を立てて崩れ落ちます。さらさら。オフ・ザ・ピッチで鍛え続けた日頃のストリートスナップの嗅覚と、オート・フォーカスのレスポンスだけを信じ(マニュアルは怖くて使えなかった)、ADのデザインの手腕、コーダーさんの緻密なウェブ構築に助けられ、なんとか抽象を写真群として成立させられたことが嬉しかったですね。(カッコよくまとめましたが)今回の写真が春日よつば保育園について何かを「説明する」だけでなく、見る人にその場所の空気や、子どもが世界を見つける瞬間を感じてもらう入口になっていれば嬉しく思います。このNikkiではこれまで、お仕事の内容については触れてきませんでしたが、今年から徐々にご紹介をさせていただこうと思います。ちなみに、写真は全てノートリミング。マクロレンズのおっそいおっそいオートフォーカスでめちゃ頑張りました。決定的瞬間に、AFのレスポンスはホント、大事。
Client_社会福祉法人 子どものアトリエ/春日よつば保育園
Art Direction_すみかずき(合同会社シェアローカル)@sharelocal_sumi
Photography_川嶋克
Website_春日よつば保育園
2026年8月16日
⚫︎そろそろ、クソ時効かなと思い、少し回想してみます。書きはじめるとどんどん言葉が湧いてきて、整理がクソつかなくなりそう。⚫︎この写真は、自宅に暗室ができてカラープリントを焼けるようになって、はじめて焼いた一枚です。普段はほとんどモノクロですが、はじめて自宅でカラーを焼けるようになった喜びは、まずこのネガに注ぎたかったのです。⚫︎以前、クソ風俗のカメラマンをやったことは書きました。大阪に来てからは本当にクソみたいに食えず、現場仕事のバイトも掛け持ちしていました。《荷上げ》というやつです。金銭的な理由ももちろんありましたが、それまで自分にはゼッタイに縁がないと思っていた世界に、一度身をクソ投じてみたかったからです。毎朝8時半の朝礼に間に合うよう5時に起き、相方は毎日弁当を作ってくれました。クソ暑い日差しのなかでも、クソ凍えるような朝でも。1年ほど続いたと思います。⚫︎現場仕事は思っていたクソ15倍以上でした。現場は汚いし、危険に満ちています。特に先輩たちはクソ怖かった。30代にもなってこんなにクソ怒られ続けるのか。クソきつい仕事でしたが、現場終わりに皆とクソ軽バンで事務所へ戻ると、作業員用のビールが毎日冷蔵庫に入っているのが言葉にならない贅沢だったり。「お前カメラマンなんやろ。写ルンですとかで、現場で撮ってみたらええやん」缶を煽りながら、タバコを3本くらい続けて吸って、ケラケラ笑って。笑わない奴もいましたが。なかなか皆帰ろうとしない。どんな怒号を浴びたあとも、現場終わりはクソ優しい。こんなにクソ美しく、クソ眩しい仕事終わりを、僕はこれ以外にまだクソ知りません。⚫︎現場にいるあいだ、そこで働く人たちの写真をぜひ撮りたかった。しかしカメラは邪魔で仕方がなく、持ち込めませんでした。この仕事を辞める現場の最終日、僕は経験年数が1年に満たなかったため、現場に入ることができませんでした。帰りのバスが来るまで、詰所からひとり、彼らがラジオ体操をして、安全帯をチェックしているのを眺めていました。今しかないと思い、カバンに入れていたTVSでシャッターを切りました。現像から上がったネガを見たとき、なんて美しい写真だろうと思いました。これが現場仕事での最初で最後の写真です。「残念やけど、写真の仕事がうまくいっているようで嬉しい。頑張って欲しい。また会おう」と言ってくれた平家さん。「また困ったら戻っておいで」と言ってくれた斎藤さん。作業着の長袖ポロは、いまも寝巻きとしてクソ使っています。
2026年8月12日
最近撮ったものを少々。
2026年8月6日
普段フィルム写真ばかりですが、写真の仕事も承っています。デジタル・ミラーレス一眼です。いろいろなご要望にお応えするうちに年々機材も増え続けていて、ひとり仕事とはいえ、回すだけで手いっぱいの荷物を商用バンに詰め込み現場に向かいます。最近印象的だったお仕事のひとつが、赤坂ミッドタウン・タワーでの撮影でした。地上54階建ての高層ビルで、40階台だったと思いますが、全面ガラスから東京の景色が一望できるフロアでした。何度か通いましたが、普段の暮らしとは、180度違う景色です。夏のしんどいシーズンも折り返し。水分補給をこまめに、頑張りましょうね。
2026年7月30日
2026年7月23日
海老江八坂神社の大祭に北之町の若中として参加するのも2年目となりました。ずっと外から撮る側にいた自分が、内側に入っていくというのは、30代半ばにして経験する大きな変化のひとつです。翌日の片付け(花開き)あとに近所の銭湯のおふろ券が配られ、おいちゃんや中学生たちと風呂ではしゃいでると、地域で生きている実感がじんわりと湧いてきます。「中に入らないと撮れない写真がある」と思っていました。けれど単に視点の問題ではなく関係性の問題だった。どこでシャッターを切るかというより、誰と同じリズムで動くか。何を見ているかより誰といるか。その違いが写真の前段階としてあるような気がしました。Marix400_AdoxXT-3(1+1) 22.5℃/10min_Digital camera scanning
2026年7月11日
さて将棋盤の周りには、盤面を側から眺める人々の声が聞こえてきます。《クライアントと撮影のあいだに立つ人たち》です。よく聞けカワシマ、これは彼らからのお仕事。《彼らの将棋》なのです。彼らがミーティングを重ねに重ね決めた詰み形に「これで詰み筋読めそう?」と《渡してもらった将棋》であって、自分の将棋だと勘違いするからいけない。発注と受注。このバランスを気にするあまり、用意された盤面の上でそれなりにきれいな詰み方をするところまででご機嫌を伺ってたのでは?《自分の将棋》ではなく《自分たちの将棋》になるために、 詰み筋だけじゃなくて、詰み形も一緒に考える人間になるための自問自答は続きます。(まとまった気もするし、ズレている気もする。詳しくもない将棋に例えたのが悪かった。)
2026年7月4日
下記QRをクリックすると飛べます。
ちょうど1年前に、念願だった暗室を自宅に整備することができました。水場がないので、中古のシンクをベランダに設置したりも頑張ったなあ。和室に作ったのでとても使いづらいのですが、どんどんいい部屋にしていけたらいいな!
2026年6月6日
4月某日、富山は北アルプスの主峰「雄山」の頂上を目指しました。おおよそ9合目まではロープウェイやバスを利用して室堂ターミナルまで行かないければいけないので、実際の所要時間は片道1時間半から2時間くらいのものです。しかし3000m級でその上アイゼンが要る山なんて登ったことありません。日常では目にすることのできない、高純度のB&W。ひゃ〜痺れました。